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紙魚日記

シミ(紙魚、衣魚、蠹魚などと書くらしい)の飼育日記
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| カテゴリ | その他 | オナガシミ | クロマツシミ | セスジシミ | マダラシミ | ヤマトシミ | 文献 | 観察 | |

2012-10-13

_ [文献][ヤマトシミ][オナガシミ] 紅

京都大学学術情報リポジトリ 紅」にシミについての報文が掲載されていた。無償で閲覧可能となっており、たいへんありがたいことである。

1) 山田保治.1942.「シミ」の蝕害と、「ス・フ」、和紙、「モスリン」との関係防虫科学6.24-34

    スフ、和紙、およびモスリンをヤマトシミとチョウセンシミ(Ctenolepisma longicaudata coreana)に食べさせてみた実験についての報告である。ヤマトシミは和紙を好む傾向があり、チョウセンシミは圧倒的にスフを好むと報告されている。また両者ともモスリンはほとんど害さなかったとのことである。
    チョウセンシミはオナガシミ(Ctenolepisma longicaudata)と亜種の関係にあることから、オナガシミも同様の嗜好性を示すかもしれない。
    スフはレーヨン(=再生セルロース繊維)、モスリンは羊毛、つまりウールのことらしい。

2) 山田保治.1942.「シミ」に対する柿渋の防虫効果に就きて防虫科学6.35-40

    ヤマトシミに柿渋で処理した和紙と無処理の和紙を食べさせてみた実験についての報告である。柿渋処理を行うとその食害防止効果は大きいとしている。


2012-10-19

_ [文献][ヤマトシミ] 紅 その2

京都大学学術情報リポジトリ 紅」で公開されているシミについての報文の続き(紅 その1)。

3) 山田保治.1947.和紙及びスフの重要害虫ヤマトシミの加害と温度との関係防虫科学7-9.30-32

    ヤマトシミの摂食行動と温度についての報告である。1日の最低気温が7℃以下になると摂食行動が見られなくなるという。

4) 山田保治.1947.和紙及びスフの重要害虫ヤマトシミの加害と糊及び布海苔との関係防虫科学7-9.33-37

    ヤマトシミに水稲農林1号で作った糊を塗った和紙、布海苔を塗った和紙、および無処理の和紙を食べさせてみた実験についての報告である。ヤマトシミは糊を塗った和紙を特に好んで食べ、布海苔を塗った和紙は無処理の和紙よりやや多く食べる程度で、これは布海苔の成分であるガラクタンを避けているせいではないかとしている。

※ ガラクタン
ガラクトースを成分とする多糖類。多糖類は糖の名前に接尾辞 -an を付けて呼ぶ。理由は知らない。
ダイエットで有名なマンナンはマンノースの多糖類である。
主な成分が二つあるようなときは、たとえばグルコマンナン(グルコースとマンノース)、アラビノキシラン(アラビノースとキシロース)のようになる。

_ しみぬき [文献へのリンクありがとうございます。最低温度が2~3度でも死なないんですね。去年の冬は加温と加湿をしましたが、今年は..]

_ ぽんぽこ豆 [体の水分が凍ってしまうような温度にならなければ大丈夫なのかもしれないですね。寒さのせいで餌を食べていない期間が100..]


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