いつだったか忘れてしまったぐらい前に秋月電子通商の赤外投光器キットを買った。ちょうど暑くなり始めた頃ではんだ付け作業をする気にならなかったのでほったらかしにしていたが、やっと組み立てた。光を嫌う紙魚の写真を撮るのに使えればと思ってダメ元で買ったものだ。赤外線発光ダイオードSLR-931A(三洋)を56個使ったもので、ピーク波長は945nm。9V電源(006P)をつないでみたところ、赤外光が写るデジタルカメラでは光っているのがわかるが(写真左)肉眼ではまったくわからなかった。この投光器を使って早速クロマツシミの写真を可視光+赤外光で撮ってみた(写真右)。写真の左下に見える明かりはLEDである。相対的に赤外光の方が可視光より強く、ホワイトバランスが自動的に調整された結果なのか白黒写真のようになった。紙魚に逃げる様子が見られなかったのはよいが自分にも見えないので光の当たり具合はカメラを通して確認しなければならない。ちょっとやっかいだ。
赤外投光器キットを作るにあたってLEDスペーサーというものを買った。これはLEDと基板の間に高さをそろえて空間を取るためのものである。LEDは熱に弱いのではんだ付けの下手なわたしのような人には足を長くしてLEDに熱が伝わりにくくするための必須アイテムとなる。
ホームセンターに売っていたので買ってきたわけだが5個入り180円と高かった。これを56個そろえようとすると2000円以上になってしまい論外であるので、四隅と中央あたりの5か所だけに使うことにした。写真下の黒っぽい円柱状のものがLEDスペーサーである。
紙魚の体は鱗粉で覆われている。この鱗粉は簡単にはげ落ちるようだ。キッチンペーパーのようなでこぼこのある素材でこすれると特に落ちやすいらしく、下地の色が見えるようになる。写真は鱗粉がすっかりはがれたオナガシミの成虫であるが、ここで気になるのは体に模様のある紙魚だ。鱗粉の下は鱗粉が付いている時と同じような模様がついているのだろうか。
クロマツシミ(2系)を譲ってもらってから今月で1年になった。いつも隠れていて写真が撮れていなかったのでちょっと無理をして出てきてもらって写真を撮った。
このシミはクロマツシミと呼んではいるものの、実はセグロシミの可能性もあってはっきりしていない。2種を実際に並べて見比べれば話は違ってくるのであろうが、クロマツシミとセグロシミは触角に縞模様があるかどうかの違いぐらいしか見分けるポイントがないからである。このシミには写真で見ると触角に縞模様があるように見えるのだが肉眼で見ると節のようにも見え、よくわからないのだ。これが縞模様だとするとクロマツシミではなくセグロシミの可能性が高い。
写真は体色の濃い方がオス、薄い方がメスである。メスの体色が薄いのは鱗粉がはがれてきているためで雌雄の差ではない。メスの方が前回の脱皮から時間がたっているということだろう。この2匹は譲ってもらった当時すでに成虫だったので少なくとも2歳にはなっているはずである。メスの方はそこそこ高齢になってきたせいで脱皮の頻度が落ちているのではないかと心配している。
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_ ぽんぽこ豆 [コメントありがとうございます。 紙魚はせまい所を出入りすると体がこすれて鱗粉がはがれ、下地の白い色が見えてくることが..]
_ middy [ご指摘ありがとうございます。 念のためシロアリの画像を探してみましたが、やはり羽もないしもっとスリムだったし、なによ..]
_ ぽんぽこ豆 [しっぽがあるならシロアリではないですね。よかったです。 今度出てきたらじっくり観察してみてください。]