オナガシミがウッドブロック上で産卵場所を探る動きをしていたが産卵は確認できなかった。ウッドブロックの溝が浅すぎるのではと考え深さを2mm余りにしたがまだ浅いのかもしれない。オナガシミの longicaudata とはしっぽが長いという意味ではなく産卵管が長いという意味(伊藤ら(2001))であることを考えるとなおさらそう思えてくる。綿が良いとの意見を参考に化粧用コットンボール(写真)を入れてはいるが、残念ながら今のところ成果は出ていない。
セスジシミ Ctenolepisma lineata pilifera (Lucas, 1840) と C. lineata (Fabricius, 1775) との違いについてわかりやすく書いたものはないか探していたところ、Lepisma pilifera Lucas, 1840 は Thermobia aegyptiaca (Lucas, 1840) であると主張する論文(下記)が出てきた。この L. pilifera とはおそらく今でいうセスジシミのことである。T. aegyptiaca の写真がないか web を探してみたが、情報自体がほとんど出てこない。 Thermobia ということはマダラシミと同じ属ということになるのだが、素人ではわかりにくい話である。この主張が広く認められると名前は変わるのであろうか。
Rafael Molero Baltanás, Miguel Gaju Ricart and Carmen Bach de Roca.2012.New data for a revision of the genus Ctenolepisma (Zygentoma:Lepismatidae): redescription of Ctenolepisma lineata and new status for Ctenolepisma nicoletii.Annales de la Société Entomologique de France (Nouvelle série).48(1-2).66-80.
公開先:Annales de la Société Entomologique de France
2014/3/1 追記
論文の公開先が下記に移転していた。無料で公開されている。
移転先:Taylor & Francis Online
先の論文には、シミは成熟しないと腹肢がそろわないので間違いの原因になるという趣旨のことが書かれていた。腹肢の多い種はその傾向がより強いかもしれない。
セスジシミの腹肢のところを写真に撮ってみた。写真の下1/3がぼやけているのはケースの底の角の部分を通して見る状態になったためである。腹肢は三組あるように見える。
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Before...
_ しみぬき [>Ctenolepisma lineataの電顕写真 たしかに足の毛とほとんど区別つかない見た目でしたね。 ところ..]
_ ぽんぽこ豆 [歩いていない時に動かしているのを見かけたことがあります。でも細かすぎて歩く時は引きずって歩いているようにしか見えない..]
_ しみぬき [歩いてない時にも動かすことがあるのですね。 >うねうね 腹肢としっぽの三点支持で走行姿勢を安定させているのでは。]