オナガシミの飼育箱に幼虫(写真左)がいるのを見つけた。色はクリーム色。初齢幼虫と思われる。卵・幼虫ともクロマツシミより時期が若干遅かったのは、オナガシミの方がやや高い温度を好むことを示唆しているのだろうか。
ついでにクロマツシミの幼虫も撮影した(写真右)。いずれも敷物にしているティッシュペーパーの下、つまり飼育箱の底との間に入り込んでいる幼虫を撮影したものだ。紙魚の成虫は紙だけでも長期間生きられるが幼虫は紙だけでは生きていけないため、この状況は好ましいとは言えない。幼虫は上に連れ出すには小さ過ぎる。なんとか紙以外のものを食べられるようにする必要があるのだが、現状では自ら出てきてもらうしか方法はなさそうである。元々成虫の飼育しか念頭になく、幼虫のことまではよく考えていなかったのが災いしている。
写真は逆光で撮影したせいか色はわからなくなっているが、クロマツシミの幼虫は赤茶〜褐色に変わってきている。鱗粉はまだない。時間がたつにつれてごく薄い色からだんだんと色が濃くなっていくらしい。オナガシミの幼虫とくらべると腹部がほっそりしてより成虫の形に近くなっているのがわかる。
クロマツシミの幼虫の中に色黒の個体(写真右上)がいたので写真に撮ってみた。撮った写真で確認してみるとほかの幼虫とは異なるものの、背中が黒いだけで他は普通だった。3齢になると4齢で見られる鱗粉が透けて見えるそうなのだがこの幼虫は姿形からするとせいぜい2齢ぐらいに見える。小さく見えるがすでに3齢後期なのか、あるいはたまにはこういう個体もいるということなのだろうか。
クロマツシミに4齢と思われる幼虫(写真右)が出てきた。体長は3mmを少し超えたぐらいだろうか。左下の白い幼虫とは違い、体全体が鱗粉で覆われている。セグロシミとオナガシミでは鱗粉をまとうのは4齢幼虫からとされており、おそらくクロマツシミも同じではないかと考えている。ちゃんと確認すべきなのだろうがビデオ撮影でもしない限り無理そうである。
オナガシミの初齢幼虫が見やすい位置にいたので写真を撮った(写真左)。まわりにある卵の長径は1mmほどである。いくつかの卵はすでに殻だけになっている。
ついでに3齢幼虫の写真も撮った(写真右)。4齢で出現する鱗粉が黒く透けて見えている。
オナガシミの幼虫はクロマツシミの幼虫と比べるとやや色白に見える気がする。
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_ しみぬき [右上さんの色がついてるところは中腸で、 えさをたべはじめたから色がついてるのだと思われます。]
_ ぽんぽこ豆 [これはちょっと見た目が違っていて、胸の部分は内臓のあたりが黒っぽく見えるのですが、腹部は表面近いところに色が付いてい..]
_ しみぬき [ああ! いわれてみれば おなかにも黒い色がついてるのは普通じゃないですね なるほど 鱗粉の準備がととのうと、こんな..]